ハイジの山歩記


 8/31 登頂〜下山編


  8/31 快晴
  

 エマヌエーレ小屋 5:20〜6:55(アイゼン装着他)7:10〜9:35 山頂 9:40〜
 10:45(アイゼン外し他)11:00〜12:10 エマヌエーレ小屋(昼食) 13:15〜
 14:50 登山口P着(標高2735m〜4061m〜1960m)
 

地図(小屋〜山頂)
青線

 4:15 起床。
 4:30 朝食。(パン、コーヒー、紅茶)
 ハイジはパンは一枚のみにして、持参のウィダーインゼリーを飲む。

 5:20 ヘッドランプをつけ出発。頭上は満天の星。
 今の所風もなく、厚着をしてしまったので寒くはない。ハーネスも予め着けておく。
 ザックの中は、アイゼンとポカリ1L、テルモスのお湯、ウィダーインゼリー2袋。
 行動食のアーモンドチョコ1箱。雨具の上ポケットにもウィダーインゼリー1袋。

 先発隊は、40〜50分前に出発している。
 アイゼン装着場所までは、ガイドさん達の後を、各自勝手について行く。
 旧小屋の脇を抜け、岩ゴロ道を緩やかに登る。
 歩き出しから、ハイジ的にはペースが速い。

 ステファンは小柄だが、チェリーは大男で、足の長さはハイジの2倍以上あると
 思う。ステファン、チェリー、Sさん、A氏、I氏、ハイジ、ちー隊長の順に進む。
 先発隊をどんどん追い越すので、厚着のせいもあり、息が上がる(^^;

 30〜40分過ぎる頃、ハイジは2〜3m遅れてしまう。これが本場アルプスペース
 なのね・・・。ぜいぜいしながらついて行く(^^;
 さらに連なる7〜8人を抜くため、5〜6m遅れてしまったところで、ステファンが
 止まった。皆それなりに厚着をしていたので上着を脱ぎすぐ出発。
 
 再出発時はハイジがステファンの後ろを歩くことに。I氏に、私が先頭を歩いてく
 れたほうが、ペースが助かると言われ譲られる(^^;
 やっぱり皆それなりに苦しかったのね。

 道はちょっとした岩登りとなり、先発組をここでも抜く。
 夜がだんだん明けてくる。
 6:40頃 朝陽が周囲の山々を照らし出す。
 道は緩やかになり、岩道に積もった雪が、所々凍っている。

 6:55 アイゼンを着けるよう指示される。出発まで何分との指示はないので、
 急いで装着し、日焼け止めを塗り、ポカリを飲み、写真を撮る。
 どれも大事なことなので省略できず、すごく慌しい(^^;

 
           朝陽に照らされた来た道の方(西)の山々

                                 ↓ダン・デュ・ジェアン4013m
 
    朝焼けのモンブラン4807m(左)      グランド・ジョラス4208m(右端)

 
               
 
                  チェリーとステファン

                            ↓稜線
 

 7:10 ステファンに、ハイジ、ちー隊長、Sさんの順にアンザイレンされ出発。
 チェリー組はA氏、I氏の順である。チェリー組が先行する。

 道は氷河へ向けて一度下る。
 氷河上を稜線へ向けて登り返す。
 グラン・パラディゾの山頂は、上画像左の山に隠れ見えない。

 氷河上をトレースに従い登る。ペースは朝の速さがうそのように、一歩一歩ゆっく
 り進むので拍子抜けしてしまう(^^)
 20cm位のクレバスを跨ぎ、雪の斜面を行く。稜線上まで、チェリー組の後へ
 連なり進む。

 8:40 稜線上へ出る。Sさんのアイゼンが片側ズレているので、ステファンに
 再度着けなおすよう指示される。
 山頂方面を見るが、ルートはここから左へトラバースしながら行くようで、見る
 ことができない。

 8:45 出発。
 トラバース気味に高度を稼ぐルートは、所々青氷があり、慎重に進む。
 下りのパーティーとすれ違ったり、高所でペースの落ちた登りのパーティーを
 抜いたりしながら、小コルに到着。ここで初めてスイス方面が見えた。
 ステファンからザックをデポしていくよう指示される。

 空身でステファンの後に続く。
 9:35 簡単な岩登りを経て山頂へ。(※注:正確には山頂手前10m位の場所。
 強風にて安全が確保できないとのガイドの判断で、ここで登頂とみなし引き返す)

 山頂には立派なマリア像があった!
 

 360°大展望であるが、そこは4000m越えの独立峰。
 風が強い。のんびり写真を撮ったりしたかったのだが、ステファンは強風なので
 数枚写真を撮ったらすぐ下りると言う。
 慌てて撮ったので、モンブラン方面は撮影失敗(> <;)
 

マッターホルン方面

イタリア側の山々
 9:40 名残惜しいが、下山開始。
 小コルでデポしたザックを回収し、先頭Sさん、ちー隊長、ハイジ、ステファンの
 順で出発。

 
                  小コルより望む

 来た道をどんどん下る。稜線から氷河へ下る斜面では、サラサラの雪なので、
 アイゼンを着けていても滑らせながら、どんどん下る。
 スキーのようにバランスをとりながら体を進行方向へ落として行くので、初めて
 使ったストックは有効だった(^^)

 10:45 氷河上から少し登り返して、平坦なポイントへ。
 アイゼンを外し、小休止。日焼止めを塗り、ポカリを飲み、ウィダーインゼリーを
 飲み、写真を撮る。忙しい(^^;。

             ↓山頂はこの山の陰         ↓稜線
 

 
                 白く輝くモンブラン♪

 11:00 出発。
 ここからはトレッキングルートなので、ガイドさん同士が先へ進み、メンバー4人
 は御気楽モード。

 下ってみると、暗い中登ってきた道は、結構斜度があったのだ(^^;
 途中一箇所岩場を通り終えたところで、ハーネスを外す。

                          ↓ちっちゃい灰色が小屋
 

 12:10 エマヌエーレ小屋着。
 祝杯のビールをグビッといきたい所だが、なにを隠そうちー隊長は【うわばみ】
 なのに、峠道を走る車に弱いのだ(^^;自分が運転し、攻めるのは大丈夫なの
 だが・・・。

 帰路の車中を思い飲まないというし、I氏も下りがあるので飲まないという。
 ならば、ハイジもトイレが心配なので遠慮する。
 ガイドさん達とSさんは、待ってましたのお水代わりのビール♪

 Sさんは、お勧めの北イタリアの郷土料理ポレンタを頼んでいた。
 水にバターを溶かし、とうもろこしの粉を加えて作るそうで・・・。
 写真を撮らせてもらい、味見をさせてもらう。感想は・・・(^^)
 呑兵衛なもので・・・(^^)。
 写真を撮っていたら、向かい側に座っていたイタリア人?またはフランス人?に
 笑われてしまった。
 ちー隊長曰く、日本だときっと、【吉野家の牛丼】みたいにありふれたものを、外人
 さんが珍しがって写真に収めてる風なんだよ・・・(^^;

 

 13:15 皆で集合写真を撮り出発。
 往きのように、ガイドさん達はどんどん下る。
 始めはハイジも調子良く下っていたのだが、振り返ると、ちー隊長達と離れて
 しまったので、何気に歩調を落としI氏と話ながら歩く。
 下山後きいたところによると、A氏は調子が悪いのか、あまり無理をせずマイペ
 ースで歩を進めているようなので、ちー隊長は勝手な配慮で歩調を合わせ最後
 尾に居たそうだ。

 

 30分ほど下ったところで、思わぬ遭遇!二頭のロバがフラフラと、登山道を登って
 くるではないか(^^)
 すれ違いざまにナデナデさせてもらい、カメラを構えるとハイ・ポーズ♪

 
             登山口Pを見下ろす(中央下付近)

 14:50 登山口P着。
 往きにチェックしておいた入口管理事務所でグラン・パラディゾの地図を買おう
 と思っていたが、生憎閉まっており残念。

 ホテルのトイレを借り、駐車場P15:00出発。
 現地係員Sさんは、この後日本へ帰国するため、クールマイユールで降車する。
 帰路車中からモンブランが車窓いっぱいに大きく迫る。

 
  ↑画像はツアーメンバーI氏よりいただきました♪ありがとうございま〜す!

 16:50 ホテル着。
 この夜もスーパーで食料とビール&ワインを買い込み、待ち焦がれた祝杯をあげ
 たのはいうまでもない(^^)v
 

後 記

 当初計画したモンブランは登頂中止となり残念だったが、本場アルプススタイル
 のガイド登山を経験できて本当に良かったと思う。(歩行スピードのメリハリのつ
 け方、あまり休憩をとらないことなど)

 日本の山の無雪期登山は、こちらではトレッキングやハイキングであり、登山とは
 ピッケル&アイゼンを使うエリアでの行動であることが明確だ。

 グラン・パラディゾは晴れていれば、体力的にも技術的にもやさしい山だと思う
 が、登頂している人の殆どがガイドを伴い、もしくは山岳会での山行で、アンザイレ
 ンしていた。
 ガイドのステファンにも言われたが、モンブランに再チャレンジする時のいい予習
 になったと思う。

 また、アイゼンを着けてからの歩行ペースが、装着前のスピードに比べたら極端に
 遅く感じられたので、私に合わせて遅いペースになったのかとSさんに質問したとこ
 ろ、普通ですということでちょっと安心。ただ、もっと速く歩ける場合、もう少し速いと
 思う。ガイドさんのスピードに合わせ歩き、アンザイレンしたロープをたわませてしま
 うと、もっと速くなると思う。実際そういう場面もあり、頑張ってついていこうとして、
 息があがり、ちー隊長に急がなくて良いと声をかけられたので、ペースを戻しロー
 プが張ると、ステファンも元のペースに戻った。
 元のペースに戻ったのは、標準スピード(許容内)?なのと、晴天だったこと、危険
 箇所通過時ではなかったことからであると思われる。

 話が前後してしまうが、モンブラン登頂ツアー申し込み時にAG社を訪れ、ネットの
 情報で仕入れた歩行スピードの件でハイジは不安があったので、担当のK氏に
 自分の山歴や山行スタイル、最近は意識してワンピッチを1.5〜2時間歩いている
 ことや、日本の山でテント泊装備でも、だいたい休憩を含め標準コースタイム内で
 歩いていることなどを告げてアドバイスを求めたところ、それならば当日体調不良
 にでもならない限り、ぜんぜん問題ないでしょう&あまり気負わず、アルプスの美し
 い山の景色を楽しもう♪ぐらいの気持ちで臨みましょうと言われた。
 
 これについては、アルプスガイド登山経験のあるちー隊長も同じ見解で、普段から
 一緒に歩いていて問題ないと言われていたのだが、ちー隊長とザイルパートナー
 になるわけで(アルプススタイルで、モンブランの場合はガイド比率1:2、どちらかが
 ガイドに登頂不可と判断された場合、二人一緒に下山する)、私のせいで登頂でき
 なかったら申し訳ないので、割高だがマンツーマンガイドにしなくては・・・と思って
 いた。ちー隊長は万が一ハイジがダメでも自分は登頂にこだわらないし、一緒でな
 くては意味がないと言ってくれていた(# ^ ^#)

 K氏のアドバイスは、ガイドさんはアンザイレンされたロープの張り具合でペースを
 はかるので、ロープはたえず張った状態でいてくださいとのことだった。
 急がなくてはと最初から頑張りすぎると、そのスピードで歩けると判断されるので、
 息をあげない程度にとのこと。高所では息を乱したらなかなか立て直せない。
 だからといって、自分のペースにガイドさんが合わせてくれるわけではなく、標準
 スピード(許容範囲)内で、またその時の山の状態によるそうで、天候状況が悪く
 くなった場合(ヴァレー・ブランシュ氷河編参照)、【ハリー、ハリー攻撃】を受けるこ
 とになる(^^;

 これをふまえ、アンザイレン時に私のペースが頑張りすぎているなと感じたら、ちー
 隊長が後からハイジに声をかけてくれるか、ちー隊長がロープを張らせペースを落
 としてもらうという作戦にしていた。

 今山行全般の経験から、具体的にモンブラン登山のイメージも湧いてきた(^^)v
 再チャレンジはいつになるかわからないが、これからも経験を重ね、残雪期は特に
 アルプスを登ることをイメージしながらの山行にしたい。

  

 ↑画像はおまけのグラン・パラディゾの山バッチ(エマヌエーレ小屋にて購入)
 山バッチだと思って購入したが、下山後よ〜く見てみたら、ピッケルの柄に打ち
 付ける??もののようだった(^^; 
 

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山行記