ハイジの山歩記

  山域・山行名他   北アルプス・栂海新道縦走(2003/8/28〜9/1)
  メンバー   ちー隊長・ハイジ
  概略
  3000m級のアルプスから日本海へ。
  ちー隊長でさえも未踏のルートであり、うわばみ隊は気合を入れて臨む。
  あいにく連日雨具着通し山行となったが、二人で歩き通した喜び&達成感は
  格別であった(^^)v
  このような体験ができるのも、夢の登山道を開かれた、【さわがに山岳会】のみなさ
  まのおかげだと、感謝のかぎりです!


  8/28(木)
   曇後雨
  
  栂池自然園駅〜白馬大池山荘(11:05発〜14:15着)

  朝の予報ではくもりだったが、ロープウェイを降りると霧雨の世界。
  本日の行動時間は短いため、あまり気にせず幕営地へと歩を進める。
  
  小屋で受付を済ませ、雨の中テントを張る。
  ハイジは雨中のテント泊は初めてだったが、ちー隊長の手馴れた行動のおかげで
  張ってしまえばいつものように、快適な空間の出来上がりー(^^)
  ちー隊長は軽量化など考えず、一人でも3〜4人用テントを愛用している。
  そして基本装備のように、ジャックダニエルのボトルをザックにしのばせている。
  食料&つまみは、ハイジの担当♪
  
  小屋でビールを調達し、オイルサーディンをつまみに初日の宴会を始めると、もう
  雨など気にならず、明日からの山歩きにウキウキモード。

  この夜、池の畔のテン場にテントを張ったのは、他に学生風グループだけだった。

 

  8/29(金)
   曇後雨
  
  テン場 6:20→8:10 小蓮華岳(2769m) 8:15→8:50 三国境 9:05→9:35
  白馬岳(2932m) 9:40→10:00 三国境 10:15→12:45 雪倉岳(2611m)
  12:50→15:45 白鳥水平道 14:50→16:30 朝日小屋

  着干しを兼ね、雨具を着用し出発。
  今日から長い歩程が始まる。ハイジにとっては雪倉&朝日岳登頂も楽しみ。
  
  三国境に荷物をデポし、白馬岳山頂に向かう。
  ガスがでてきて視界不良の山頂は、私達貸切状態。
  過去に平日何度も登っているちー隊長曰く、白馬山頂に誰もいないなんて!?
  初めての経験だそーだ。
  仕方がないので、一人ずつ、お約束写真を撮る。

  デポした荷物を再び背負い、雪倉岳を目指す。
  雪倉岳への登りの途中に、雪倉岳避難小屋があり、中をのぞく。
  最近建て替えられたばかりのようで、きれいな小屋だった。
  
  雪倉〜朝日の道は、花の百名山にもなっているだけあって、沢山のお花を見ること
  ができる。今年は雪が多かったせいで、8月末でも雪渓が残っており、私達も見る
  ことができてラッキーだった。
  ハクサンイチゲ、チングルマ、シナノキンバイ、クルマユリ、ハクサンフウロ、トリカブト
  等、お馴染みのお花たちだが、群落が大きく見事である。

  雪倉岳を過ぎたあたりから、とうとう雨に降られる。
  少し前に雷鳥を見たので、やっぱり雨の前触れだったかと・・・(^^;
  着干しのカッパは大活躍。
  だんだん雨足が強くなってきた頃、やっと小屋に到着。
  受付をしようと中へ入ると、登山道ではほとんど出会わなかった人達で賑わってお
  り、入り口横あたりにストーブが焚かれ、数人が談笑していた。

  私達がテントの受付を済ませると、結構な降り具合だったせいもあり、妙に感心?
  されたりして・・・。
  雨降りに断念して、小屋泊まりを選択した方達もいたらしい。
  しかし、酒関連代に重きをおく【うわばみ隊】としては、素泊まり2人分で一万円の
  出費は許容範囲外ということで、協議にもならず(^^)
  さっさとテントを張り、小屋で仕入れたビールで乾杯!
  おつまみは、牛タンスモーク&オイルサーディン。
  ハイジも今夜はバーボンのお湯割りを少し?いただく。

  消灯前にお手洗いへと向かったハイジは、先に済ませたちー隊長に教えてもらっ
  ていたにもかかわらず、あまりの霧の濃さに、テン場のトイレを探せずじまい。
  仕方なく、灯りを頼りに小屋のトイレで済ませ、テントへ戻っているつもりだったの
  に、???見つからない(; ;)
  
  うろうろしていると、私の気配を察し、ちー隊長が気遣ってテントから手を叩いてく
  れたので、なんとか戻ることができたが、濃霧にはまいってしまった。
  ほんとーに、面白いほど、うそのように、見・え・な・い・んだも〜ん(; ;)

  広い山頂や分岐の地図上に、『霧の時は方向注意』とあるのを見たことがあるが、
  濃霧の恐怖を体験し、ケルンの意味などあらためて考えてしまった。
  この夜、広いテン場は私達のみ。


  8/30(土)
   雨後曇

  テン場 7:00→8:10 朝日岳(2418m) 8:15→8:40 千代の吹上げ分岐 8:45→
  9:25 長栂山(2267m) 9:30→10:00 アヤメ平 10:05→11:50 黒岩山(1624m)
  12:10→13:40 サワガニ山(1612m) 13:45→14:25 北又の水場 14:45→15:40
  犬ヶ岳(1593m) 15:50 栂海山荘
 
  朝日岳山頂手前で、雷鳥の家族と遭遇!
  親♀&子の組合せはよく見るが、♂親まで一緒にいたのでラッキー(^^)v
  でも、喜んでばかりいられない・・・。
  雷鳥さんに会ったということは、お天気は雨。小降りになって薄日も射し始めてい
  るけれど、雨の一日になってしまうのか・・・。

  千代の吹上げ分岐に着く。
  大岩に赤ペンキで、『栂海・日本海』と書いてある。
  この岩の脇を通り、いよいよ栂海新道へ足を踏み入れるのだなぁ〜と思うと感慨
  深い。

  木の根が剥き出しぎみの、掘れてぬかるんだ歩き辛い登山道を行く。
  アヤメ平から黒岩平の途中で、ミヤマリンドウの群落を見た。
  今までこんなに密度の濃い、ミヤマリンドウが群生しているさまを見たことがあった
  だろうか!!大感激(^^)
  
  せっせと歩を進めているのだが、なかなか黒岩山に着かない。
  手元の地図上では、千代の吹上げから2時間となっているのに・・・。
  昭文社の地図を愛用しており、どこの山域でも大体コースタイムを大幅に上回る
  ことはなく、昨日までや、前ポイントまででも、特に時間オーバーぎみでもなかった
  ので、本日の行程を思うと、だんだん不安になってくる。

  2時間のところを休憩も含めてでもあるが、3時間超えを要したのだから・・・。
  ともかく目安の黒岩山に着いたので、お腹を満たし、気を取り直して出発する。
  小さなアップダウンを繰り返し、北又の水場で給水後、本日最後のキツーイ登りを
  経て犬ヶ岳山頂を通り、栂海山荘へ到着。

  建て替えられて数年の二階建ての小屋は、きれいに維持・管理されている。
  協力金¥1,000×2を、備え付けの箱へ入れる。
  私達は二階に寝る支度を整え、宴会セット&食料を持ち、指定飲食場所の階下
  の広間へ。
  
  今日一日の疲れを癒す、待ちに待った【うわばみタぁーイム♪】ですが、
  無人小屋にハイジの大好きなビールが有るはずもなく、最初の乾杯はのどの渇き
  を収めるべく、先ほど仕入れた冷たい北又の水場の水で・・・と思い飲もうとしたら
  ちー隊長より【待った】がかかる。

  ハイジ : ???
  ちー隊長 : (^^)

  な・な・なんと、目の前にはキリンラガーの500ml缶が2本置かれているではあり
  ませんか!・・・しかも冷えてる!!!
  今朝出発前にハイジがトイレに行っている間に、朝日小屋でちー隊長がこっそり
  仕入れてくれていたのでした。
  そして水場で満たしたプラティパス(折り畳み水筒)で挟んで、冷やしてくれてい
  たのでした。(感謝&感激!)
  ちー隊長は、ここまでの間に、ハイジに気づかれぬよう苦心したそうだ。
  この愛情ビールの味は【神に誓って、一生忘れませーん!】←ホントーか?(^^)
  
  この日の宿泊者は、おいらく山岳会の男性リーダーと女性2名、単独の男性、
  女性各1名と、私達の計7名。
  全員今朝、朝日小屋を発ち、同じ道のりを歩いてきた人たちだった。

  少人数だったせいや、同好の士ということもあり、結構話が盛り上がる。
  この時の話で、黒岩山までのコースタイムが、新しい地図では変更されているこ
  とを知る。
  昨夜あの雨の中、朝日小屋のテン場にテント張った人がいたと話す人がおり、
  『それは私達でーす』とのことに、一同・・・(妙な)感心(^^)。
    
  明日の出発時間などの話でしめくくり、眠りにつく。
 

  8/31(日)
   暴風雨
  
  栂海山荘〜親不知海岸(7:05発〜16:05着)

  激しい雨音に目が覚める。
  風も強く、小屋が軋む音がする。
  同宿の人たちは、本日のそれぞれの予定のため、早めに出発していったが,
  私達は、今夜は下山口泊なので、雨の降り具合をみながら、遅めに出発する。

  雨足はなかなか衰えず、風も強いものの、樹林帯を行くので、さほど苦にならない。
  ひたすら歩く、歩く、歩く。
  降り続く雨で、登山道はだんだん小川と化し、濁流歩きで靴の中までびしょびしょ。
  (^^; ここまで降ってくれると、嬉しくすらなってくる!?かぁ?(^^;;

  私達は、『お天気だったら、暑くてバテただろーね』とか、『のども渇かず、かえって
  ヨカッたね』とか、今夜の宿での祝杯を想像しながら、お互いに腐らず励ましつつ
  歩いた。

  アップダウンを繰り返すものの、下り基調であるし・・・と思っていた登山道は、とうと
  う最後までコースタイムを短縮することができず、さすがに辛めのコースタイム設定
  であり、 恐るべし健脚者向けのコースであることを痛感した。
  
  たしかに修行のような下山道だった。
  やっと海岸前の国道に着き、ザックを背負ったまま 親不知海岸へと向かう。
  【ゴぉーーール!!!】 
  
  歩き終えた感動は、山からの濁流で茶色になっている海水や、どんよりねずみ色の
  空とはうらはらに、清々しく、どこまでも澄んだものだった。

  この夜、【うわばみ隊】が、親不知観光ホテルの料金のわりには豪華な夕食に、ま
  すます祝杯を重ね過ぎてしまったことはいうまでもない・・・(^^)v

  

  9/01(月)
   雨後曇
  
  親不知観光ホテル〜市振駅(9:55発〜10:20着)

  山旅の疲れで爆睡したおかげと、山の習慣で、早朝より目が覚める。
  海岸線を散歩し、朝食をとる。
  
  連日の大雨で、国道8号線は通行止めとなり、宿から駅まで送ってもらう予定が、
  ダメになり、5分ほど車で行ける所まで送ってもらい、そこから市振駅まで歩くことに。
  
  小雨の中、着慣れたカッパを着て歩き出すと、すぐに通行止めが解除になった(^^;
  私達は顔を見合わせ苦笑し、アスファルトの道を駅へと向かった。

山行記