ハイジの山歩記

  山域・山行名他   北アルプス・白馬岳(2932.2m)〜栂池縦走 (2005/5/28〜29)
  メンバー   ちー隊長・ハイジ
   概 略  
  雪山歩きたい病にかかってしまったハイジに、ちー隊長が処方箋プランをたてて
  くれた。それは白馬大雪渓を登り、白馬岳から小蓮華山〜白馬乗鞍岳を経て栂池
  へという良薬コースであった(^^)週末を利用してテント泊縦走を楽しむ。  
 

  5/28(土) 晴    
 
  猿倉 7:10〜8:20 白馬尻 8:30〜10:50 葱平 11:15〜12:15 お花畑避難小屋
  12:25〜13:30 村営頂上宿舎着(テント泊) 

  金曜夜仕事を終え、お馴染みのムーンライト信州81号(新宿発23:54)グリーン車を
  利用して早朝白馬駅に着く。
  5:45発 猿倉行きのバスに乗る。シーズン中ではありえない私達のみの貸切である。
  
  路肩の土砂崩れ工事のため、猿倉よりひとつ手前のバス停までしか行けないとのこと
  で、1.2kmほど余計に歩き、6:40猿倉に到着する。
  この日猿倉で開山祭である【白馬岳貞逸祭】が催されることもあり、山荘の方たちは
  仕込で忙しそうである。
  朝食とトイレを済ませ、スパッツを着け7:10出発。

  
               林道より白馬岳を望む
  
  新緑の爽やかな林道を行く。
  三十分ほど歩くと、雪融けたばかりの斜面にザゼンソウを見る。
  沢を越えるあたりから残雪の道となる。
  
  8:20 白馬尻着。
  ご覧の通り、白馬尻小屋は雪の中で、掘出し中であった。

  
                 除雪中の白馬尻小屋

  8:30 雪は緩んでおり、アイゼンを着けずに出発。
  いよいよ白馬大雪渓の登りにかかる。
  8年前の夏、ハイジが山歩きにハマッてしまった原点であるこの雪渓を、今日ちー隊長
  と二人、再び辿るのだ♪と思うと感慨深い。

  
                 白馬大雪渓入り口部

  夏山シーズン中は人気ルートゆえ人・人・人で長蛇の列をなすため避けて、ちー隊長
  も十数年ぶりに歩く白馬大雪渓であ〜る。

  

  雪渓には既に、ルートを示す紅ガラが付けられていた。
  登山口から感じたことだが、山ヤさんより圧倒的に山スキーヤーが多い。
  8割くらいが板をザックにつけて、つぼ足で登って行く。
  確かにキツい登りながらも、絶好のゲレンデである。
  しかし、こんなに多くのスキーヤーで賑わっているとは知らなかったー(^^;

  

  9:40−9:55 小休憩&おにぎりを食べ出発。
  快晴の中、快調に進むといいたいところだが、夜行で睡眠不足とテント泊装備のた
  めか、ハイジはなかなかペースが整わない。
  一汗かけるといいのだが汗もかけず、眠気を感じるしまつである(^^;
  よりいっそう重い荷のちー隊長に、申し訳ないと思いつつ歩を進める。

  10:50 岩室跡(葱平)着。
  眠気は睡眠不足というより、高山病の症状だろう・・・。
  このまま横になり、爆眠したい衝動に駆られる。
  1230mの登山口から2730mのテン場まで、標高差1500mを登るのだ。
  特にここからは更に急登になる。
  調子のでないハイジを心配し、ちー隊長は少し長めの休みをとってくれた。
  
  11:15 ハイジは念のためアイゼンを装着し出発。
  急傾斜であるが、前剱の雪壁を思えばぜ〜んぜん緩い。
  休んだおかげか調子がでてきて、汗をかきかき進む。時折振返り来た道を見下ろす。
  
  

  12:15 お花畑避難小屋着。
  新しそうな小屋は雪に埋もれており、屋根だけが見える。
  このあたりから日帰りであろう山スキーヤー達が、好きなルートで滑り降りて行く。
  カッコいい滑りのテレマーカーを目にし、うっとり(~ ~)
  左側に目をやるとな〜んちゃって槍ヶ岳のような景観♪
  
  
                槍ヶ岳もどきの天狗菱

  12:25 お花畑避難小屋出発。
  調子がでてきたのでここからも急な斜面を詰め、ひと登りでテン場に着くハズであった
  が・・・、近くに見えた目印の大岩がなかなか近づかない(^^;;
  眠くはないけど今度はシャリバテか・・・。ワンピッチでいけると思ったのに、足のほう
  が言うことをきいてくれない(^^;;;
  
  13:30 頂上宿舎着。
  終いには頂上宿舎を目前にしながら、100歩登ったら休み、50歩登ったら休み状態
  で山荘前ベンチにたどり着いたハイジであった(><)

  ちー隊長が受付を済ませている間に、貪るように持参のパンを食べてしまった(^^;
  横着せず、ポケットにチョコや飴を用意しておけば良かったと反省する。
  
  テン場は頂上宿舎の裏手にあるので、宿舎下方の水場にて水を調達しテン場へ
  向かう。
  窪地にある広いテン場は予想に反して雪なしであ〜る(^^)
  既に5張りほど設営されていた。
  
  いつものようにちー隊長がテントを設営している間に、ハイジは持参のエビスを雪に
  埋める係りであ〜〜る♪
  頂上宿舎で買いそびれていた山バッチを購入する。

  15:00 つぶ貝缶&やきとり缶、小松菜キムチ、ミックスナッツにて【うわばみタイム】
  しかし、ひどいイビキ客のため前夜ほとんど眠れなかったちー隊長は、エビス2本飲
  み終えたところでお昼寝?タイムに入ってしまった。(おつかれさまちー隊長)
  ハイジも二本目飲み終えぬ内に zzzzz。

  18:00 目覚めた我らは再び持参の焼酎をお湯割りにして乾杯♪
  定番レトルトカレー&きゅうりのキューちゃんを食す。
  19:30 消灯。
  
  
  5/29(日) 
   晴後曇  
  
  テン場 6:25〜7:15 白馬岳山頂 7:30〜8:45 小蓮華山 9:00〜10:10 白馬大池
  10:15〜10:40 白馬乗鞍岳 11:05〜天狗原分岐〜11:30〜12:05 栂池自然園 

  5:00 起床。5:20 梅茶漬け雑炊&しば漬の朝食。 
  6:25 アイゼンを着け出発。
  テン場前の急斜面を登りきると、なんということはなく夏道に出た(^^)
  この先山頂までも夏道が見えるので、アイゼンを外す。
           
  
            杓子岳 2812m(手前)と鑓ヶ岳 2903m

  白馬岳への稜線は振返ると素晴らしい景観である。

  
               立山(左)と剱岳を望む

  7:15 白馬岳山頂着。
  雲間に槍&穂がかろうじて見えたが、わきあがる雲であっという間に隠れてしまう。
  頸城山塊方面は既に雲の中である。
  白馬山荘から空身で登ってきたおじさまに、お約束写真のシャッターを押してもらう。

  7:30 山頂発。
  本シーズン中は多くの人で賑わうコースも、今日は私達のみである。
  岩場の急下りなので、これより先はちー隊長が先に進む。
  雪倉&朝日方面を眺めては、2年前栂海新道を縦走したことが懐かしく思い出された。
  夏の終わりだったにもかかわらず、今降りている登山道脇にはウルップソウが沢山
  咲いていたっけ。
  
  季節を変えての山行、同じ山でも飽きることがない。
  雪と岩と空のコントラスト。
  残雪期を歩くことにより、ハイジの山の世界がまた広がった(^^)v
  
  
        小蓮華山へのトレイル

  
          三国境より雪倉岳(中央)と朝日岳(左)を望む

  雪に隠れているが、ほぼ夏道を進む。
  気をつけてはいるのだが、時折ズボっと、片足お尻まで入ってしまい、引き抜くの
  が大変であ〜る(^^;

  8:45ー9:00 小蓮華山にて休憩。パンを食べる。
  ガスがかかって怪しい雲行きだが、降られることはなさそうだ。
  ここから白馬大池まで一気に下る。

  

  雷鳥坂を下っていると、ペアリングの時期であることもあり、そこかしこで♂の鳴き声
  を聞き、姿を目にした。
  
  10:10 白馬大池着。
  白馬大池山荘も雪の中。赤い屋根がだけが目印である。そして池も雪の中。
  池の上を歩き、夏道に出る。石道を登り返す。

  10:40 白馬乗鞍岳山頂着。
  行動食のパンでお腹を満たす。ちー隊長が、白馬大池方面に人影を見つけた。
  速い。ぐんぐんと迫ってくる。
  白馬山頂から貸切状態だったので、同好の士の存在が嬉しい。

  休憩をしている私達と挨拶を交わしたその人は、パトロールの方だった。
  長年北穂小屋に勤め、今は麓に宿を営んでおられるとのこと。
  雷鳥の生態を調べており、今日も調べながら歩を進めてきたとのこと。
  
  冬の間、十数羽〜数羽のグループで穴を掘り過ごすので、まとめて糞をすることなど
  を教えてくださった。
  そういえば、ここまで来る途中で、何度か見かけたっけ・・・(^^)
  何の糞だろう・・・と思っていたのだが、疑問解決!

  私達の装備を見て、昨日大雪渓を登ってテント泊したというと、大変だったでしょうと
  労ってくださった(^^)

  11:05 もっといろいろとお話を伺いたかったのだが、迷惑になるし・・・と思い出発。
  天狗原へ向けて、ここからはひたすら下るのみ。(ルートを示す紅ガラ印有り)
  無雪期は大岩のごろごろした道だが、今は深ぁ〜〜い雪の下。
  一枚バーンの大斜面を、グリセードしながら楽しく下る♪

  
                   天狗原を望む

  雪質が良かったので、一度もコケずに一気に下ってしまった(^^)v
  12:05 栂池自然園着。
  ゴンドラに乗り栂池高原へ。
  栂の湯で汗を流し、帰路に就く。

  ※ ゴンドラ駅の発券係の方のお話では、パトロールの方はM氏といい、地元では
    山や自然観察についての講師も勤められている有名人で、とても寡黙なマナー
    などに厳しい方であるとのこと。
    
    ちー隊長がゴンドラ駅で挨拶を交わしていたのを見たので、『M氏と一緒に下りて
    きたのですか?』と声をかけられたそうだ。
    ちー隊長が、乗鞍岳山頂で休憩時のことを話すと、上記の理由で、とてもラッキー
    でしたね♪と言われたそうだ(^^)

    遠慮せず、もっと話を聞いとけば良かったーと思ったハイジであ〜る(^^)

山行記